グロウアップHG <葉面散布液> 500 ml
主原料 ヒナイグリーン® 40%、分散剤4%
グロウアップHGは秋田県大館市のみで採掘される十和田石(土壌改良剤:ヒナイグリーン®)を散布用に分散させた液剤です。
本液剤の主要成分であるヒナイグリーン®は、1000万年前に海底火山の噴火で生じた火山灰が海底で堆積し、凝固することにより誕生し、岩石の分類では緑色凝灰岩に属します。
ヒナイグリーン®は、多孔質構造を有するケイ酸塩鉱物からなる緑色凝灰岩で豊富なケイ酸を含んでおり、植物が吸収することによって細胞が強化され、倒伏しにくく、病害に強い作物に育ちます。また、ヒナイグリーン®の特徴的な淡い緑色は二価鉄の色を反映していると考えられおり、吸収しやすい二価鉄は作物の光合成活性などに寄与し、色味の良い元気な作物づくりに貢献します。
このようなヒナイグリーンの効果を液剤としても利用できるように約500nmサイズに粉砕し、沈降しにくく調整したものがグロウアップHGです。葉面散布や潅水時にご使用ください。
*ヒナイグリーン®の組成分析
珪酸 (SiO₂) |
アルミニウム (Al₂O₃) |
酸化鉄 (Fe₂O₃) |
カルシウム (CaO) |
マグネシウム (MgO) |
ナトリウム (Na₂O) |
カリウム (K₂O) |
チタン (TiO₂) |
72.1 (%) | 12.7 (%) | 3.23 (%) | 1.30 (%) | 1.00 (%) | 4.10 (%) | 2.30 (%) | 0.49 (%) |
期待されるグロウアップHGの効果一覧
・ 作物の生育促進:光合成改善や作物の細胞を強化することで健康な作物栽培に役立ちます。
- 光合成能力の向上
- →鉄やマグネシウムによる葉緑素合成の活性化/光合成効率の向上
- 茎葉の強化/受光態勢の改善
- →ケイ酸による植物細胞の強化、葉身の受光態勢改善
- 倒伏軽減/生育改善
- →茎葉強化による倒被害の軽減、樹勢回復の補助
- 病害虫抵抗性の向上
- →茎葉強化や健全な生育により病害虫の発生を軽減
- 根量増加/発根促進
- →根張りを改善し、充実した根を形成することで栄養の取り込み量が増加
- 食味の改善
- →光合成の改善による糖の蓄積/タンパク質含有率の低下
・ 土壌環境の改善:作物の生育に有用な微生物を増加させ、活性化した微生物によって間接的に作物の生育を補助します。
- 土壌中へのミネラル供給
- →微生物がヒナイグリーン®をゆっくりと溶解し、ケイ酸や二価鉄を土壌中に放出
- バチルス属細菌の活性化
- →有用微生物であるバチルス属細菌が増殖、土壌環境を改善
- 根圏微生物、硝化細菌の活性化
- →土壌中で難溶化した養分の無機化や硝化促進
グロウアップHGの特徴
グロウアップHGを葉面散布することで以下の効果を示し、作物の生長を促進します
・グロウアップHG中のケイ酸や二価鉄などのミネラルを作物に供給します
・グロウアップHGによって土壌微生物が活性化され、土壌環境を整えます
グロウアップHG開発時の葉面散布試験
試験方法: 試験区(各16個体)
• 対照区(スプレーなし)
• 5000倍希釈を葉面散布(2日毎に50 mLスプレー)
1か月間の栽培後に新鮮重量、 SPAD値(葉緑素量の目安値) を測定
ヒナイグリーン®に含まれる二価鉄を液剤として供給することにより葉緑素の合成が促進されました。
グロウアップHG葉面散布による生育促進の作用機序(メカニズム)
グロウアップHGは、葉面および土壌の両方で作用することで作物の生育促進が起こると考えられます。
グロウアップHGを葉面散布することにより、植物は葉面から直接および土壌から間接的に微量ミネラルを補給することができます。
葉面からの吸収について:
葉面に散布された場合、イオン化したミネラルは葉の気孔やクチクラ層の細孔などを通り、葉の内部に取り込まれます。 その後、維管束を通じて植物全体に移行する(転流)ことで、植物に必要なミネラルを供給します。
土壌からの吸収について:
葉面散布の際に土壌にグロウアップHGが掛かった場合、主成分であるヒナイグリーン®によって土壌微生物が活性化されます。 活性化した微生物はヒナイグリーン®を溶解し、イオン化した微量ミネラルを根圏に供給します。
グロウアップHG標準使用例(10アールあたり)
ー | 使用時期 | 葉面散布(散布量) | 土壌潅水(潅水量) |
水稲 | 生育中期~出穂前期 | 5,000倍(50~100㍑) | ー |
葉菜類 | 生育時期全般 | 5,000倍(100~300㍑) | 500~1,000倍(100~200㍑) |
根菜類 | 生育初期~中期 | ||
果菜類 | 生育時期全般 | ||
果樹 | 緑化時期 | 5,000~10,000倍(100~200㍑) | ー |
グロウアップHGの使用時期は作物の養分吸収(主に窒素)が高い時期に使用すると効果的です。
作物種によって養分吸収は様々ですが、上記の表を目安にご使用ください。
- 水稲
- :分げつや根の形成/伸長が盛んな生育中期以降にご使用頂くことで、効率的なケイ酸の吸収が見込め、健康的な葉を作ります。
- 葉菜類
- :生育が早く、短期間の養分吸収が重要となるので生育時期に関わらず使用でき、根圏の土壌環境改善などにも効果的です。
- 根菜類
- :生育初期~中期に施用することで葉の展開や生育を補助し、可食部位である根の肥大を促します。
- 果菜類
- :茎葉、根の生育と生殖生長(果実の肥大など)が同時に進行するため、生育時期全般で栄養吸収が重要となります。
- 果
- :新葉や新梢などの形成時である緑化時期にご使用頂くことで強く健康な葉になり、果実形成を助けます
使用時の注意事項
- ※ よく振ってからご使用ください。ボトルを10回ほど撹拌すると濃度が均一になります。
- ※ 開封前は直射日光の当たらない日陰で保存すること。
- ※ 開封後はできるかぎりすみやかに使用すること。
- ※ 凍結するような場所では保管しないこと。本液剤が凍結すると主成分が沈降し、分散しなくなります。
- ※ 散布に使用した機材は使用後すみやかに水洗いすること。 本液剤が付着したまま乾燥すると目詰まりなどの可能性があります。
- ※ 散布の際はマスク および安全ゴーグルを装着すること。
- ※ 飲み物ではありません。
- ※ 子どもの手の届く場所では保管しないこと。万が一目に入ったり、飲み込んだ場合は医師にご相談ください。
- ※ 農薬と混用をする場合には、その製品の説明書の記載に従い、記載のない薬剤については各メーカーに問い合わせるなどして、混用の適否を確認してください。
- ※ 石灰硫黄合剤や強アルカリ性の薬剤とは混用しないでください。
[補足資料]微生物によるヒナイグリーン(本液剤の主成分)の溶解
試験方法:ヒナイグリーン®を含む培地と含まないで微生物(カビ)を培養した。
ヒナイグリーン®が微生物によって溶解されることが分かりました。
また溶解によってヒナイグリーン®から植物細胞を強くするケイ酸イオンと、 光合成に欠かせない二価鉄イオンが溶出しました。
[補足資料]ヒナイグリーン®による硝化活性の向上
多くの植物は硝酸態窒素を好んで吸収します。
そのため作物を栽培中の土壌では、 効率的にアンモニア態窒素から硝酸態窒素に変換(硝化)することが重要になります。
ヒナイグリーン®により硝化が速やかに行われました。
ヒナイグリーン®を利用することにより 土壌中で硝化作用が促進され、肥料分を効率的に無駄なく利用できることが期待できます。
[補足資料]バチルス属細菌の活性化効果
試験方法:バチルス属細菌をヒナイグリーン®添加培地と添加しない培地で培養した。
※植物病原菌の増殖を抑える効果をもつ納豆菌に近い有用なバチルス菌を使用